確定申告に向けて会計ソフトの導入を悩まれている個人事業主も増えています。
本記事では、これから会計ソフトの導入を検討している個人事業主に向けて、会計ソフトを利用するメリットや、おすすめの会計ソフトを紹介していきます。
初月無料や初年度無料で使えるサービスもあるので会計ソフトを検討している個人事業主は必見です !
個人事業主が会計ソフトを選ぶ際のポイントは?
まずはじめに、会計ソフトを選ぶ際に確認すべきポイントをご紹介します。
はじめて会計ソフトの導入を悩まれているような個人事業主の方は、メモの用意をして読んでくださいね!
①クラウド型 or インストール型

会計ソフトは、パソコンにインストールして使うインストール型、ブラウザ上で使用するクラウド型の2種類があります。
結論から言うと、個人事業主にはクラウド型の会計ソフトがおすすめです。
会計ソフトを選ぶ際には、クラウド型から選ぶことをおすすめします。
・バージョンアップや更新が自動で行える
・スマホやタブレットなど、複数端末からでも操作可能
・ネット環境があればどこからでもアクセス可能
・パソコンが壊れてもデータ損失のリスクがない
②帳簿づけの操作画面は使いやすそうか?
確定申告の書類を作るうえで決済の仕訳が必要となります。仕訳をしたデータの全てを総称して帳簿と呼びます。その帳簿作りを簡単にするツールが会計ソフトです。
会計ソフトではクレジットカードなどの支払い履歴を自動で連携することができるので、その登録が楽だと感じる会計ソフトを選ぶ方をおすすめします。
個人事業主におすすめする会計ソフト13選
やよいの白色申告オンライン | freee | マネーフォワード | フリーウェイ経理Lite | ちまたの経理 | |
種類 | クラウド | クラウド | クラウド | インストール | クラウド |
有料版料金 | 5,060円/年~(初年度) | 12,936円/年~ | 10,560円/年~ | 3300円/月~ | 0円 |
お試し期間 | × | 30日間 | 1ヵ月間 | × | × |
自動仕訳 | ○ | ○制限あり | ○制限あり | ×有料のみ | ○ |
自動取込 | ○ | ○制限あり | ○制限あり | ×有料のみ | ○ |
申告書作成 | ○白色申告 | ○白色申告 ○青色申告 | ○白色申告 ○青色申告 | × | × |
サポート | ×有料のみ | メール…○チャット…△登録後1週間 | ○電話、メール、チャット | ×有料のみ | ○メール |
Main財務管理 | 円薄会計 | 会計王 | 勘定奉行 | RUCARO | |
種類 | サポート3850円/月 | 0円 | 本体44,000円 サポート33,000円/年(初年度無料) | 利用料40,000円/年初期登録費用20,000円/初年度のみ | サポート5,480円/月 |
有料版料金 | × | × | ○ | 60日間 | × |
お試し期間 | × | × | ○ | × | × |
自動仕訳 | × | × | ○ | × | × |
自動取込 | × | × | ○ | × | × |
申告書作成 | × | ○青色申告 | ○白色申告青色申告 | × | ○青色申告 |
サポート | ×有料のみ電話メールリモート | メール操作方法のみ | 電話、メール他 | 電話、FAX、WEB、リモート | △無料プランFAQ掲示対応 |
個人事業主の会計ソフトを導入におすすめな会計ソフトを13選をご紹介します。
どの会計ソフトにも無料期間があるので、まずはお試しから使うことをおすすめします。
おすすめ会計ソフト|1位:freee(フリー)

freeeは、クラウド型会計ソフトで個人事業主のシェアNo.1を誇ります。スマホからの操作のしやすさに定評があり、マネーフォワード同様、レシートや領収書を撮影して帳簿へ変換する機能、クレジットカードや銀行口座との連携機能が便利です。
freeeには簿記の専門用語がほとんど登場しないので、簿記や会計知識のない人でも直感的に使用することができます。
裏を返せば、会計ソフトに慣れている場合はかえって使いにくいことがあります。
また、これから簿記の知識をつけていきたい個人事業主の方には他のソフトがおすすめです。
おすすめ会計ソフト|2位:マネーフォワード
マネーフォワードは、freee・弥生と合わせて三大シェアを誇る会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなどの連携先が充実しており、データの自動仕訳を行ってくれるほか、スマホで撮影したレシート・領収書での自動仕訳も可能です。
e-Taxでの確定申告にも対応しているので、インターネット上での手続きがスムーズに行えます。無料プランでは、永年無料で年間50件までの仕訳が登録可能です。(ただし無料プランでは確定申告書の作成はできません)
マネーフォワードは、次に紹介するfreeeと比べると比較的簿記に慣れている人、あるいはこれから簿記の知識をつけていきたい個人事業主におすすめです。
おすすめ会計ソフト|3位:弥生会計

「弥生シリーズ」は23年連続売上実績No.1の実績を誇る会計ソフトです。実績あるメーカーが作っているという安心感を得たい個人事業主におすすめの会計ソフトといえるでしょう。
ただし、無料プランにはサポート機能がありません。サポートが必要な場合は、電話・メールでの操作サポートが受けられるベーシックプラン、仕訳や確定申告についての質問ができるトータルプランを選択しましょう。
「やよいの青色申告オンライン」は1年間無料のうえ、ベーシックプランは初年度6,600円、翌年以降は13,200円で提供と安価です。
「弥生シリーズ」は多くの税理士事務所でも使用されているソフトです。将来的に税理士にお願いすることを考えているなら、弥生を選択すると移行もスムーズです。
おすすめ会計ソフト|4位:会計王
会計王の料金プランは大きく分けると2つあります。買い切り型の会計ソフトになるので、基本価格とオプションの2つに費用がかかります。評判についても解説していきます。
種別 | 利用内容 | 費用 |
会計王ソフト | 会計王を活用しての確定申告 | 44,000円 |
バリューサポート | サポートセンター 次期製品無料提供 | 33,000円/月 ※初年度無料 |
無料トライヤル | 30日間無料で使うことができる | 無料 |
無料相談会 | 全国の家電量販店で実施 | 無料 |
他の会計ソフトとしても、買い切りの会計ソフトのため高額であるのが会計王の特徴です。
会計王で確定申告をするんだ!と絶対的な決意を持って購入するお客様へはおすすめですが、初めて会計ソフトの導入を考えているようなお客様へはおすすめできないと評判です。
おすすめ会計ソフト|5位:フリーウェイ経理
フリーウェイ経理Liteは、導入からバージョンアップまで全て無料で利用できるインストール型会計ソフトです。簿記に慣れた人向けの「仕訳形式」もしくは初心者向けの「出納帳形式」を選んで、手軽に記帳が行えます。
各種帳簿の出力、貸借対照表や損益計算書などの作成にも対応。動画マニュアルやFAQなどが充実しているのも使いやすいポイントです。
3,300円の有料プランに加入すると、銀行口座やクレジットカードとの連携やクラウドへのデータ保存、サポート対応が可能になります。
おすすめ会計ソフト|6位:ちまたの経理
ちまたの会計は、PTAや自治会、サークルなど、小さな団体・コミュニティ向けに開発されたクラウド会計ソフトです。
寄付によって運営されているため、すべての機能が完全無料で使用できます。スマホ・タブレット・PCから環境を選ばず利用が可能で、バージョンアップを行う手間もありません。
会計に不慣れでも家計簿感覚で現金出納帳、預金出納帳、収支計算書などを作成し、PDFやエクセルで出力することが可能です。
おすすめ会計ソフト|7位:Main財務管理
Main財務管理は、1984年創業の老舗企業が運営する、完全無料のインストール型会計ソフトです。
0円で導入できるだけでなく、法改正によるバージョンアップにも無料で対応。さらに会計ソフトだけなく、給与・販売・グループウェアも無料で使うことができます。
記帳方式は複式簿記で、すでに会計・仕訳に慣れている人には特に導入しやすい会計ソフトです。
基本的に無料で利用できますが、月額3850円(税込)のビジネス会員になると電話・メール・リモートサポートと、さらに手厚いサービスを受けることができます。
おすすめ会計ソフト|8位:円薄会計
円薄会計は広告収益によって運営されている、完全無料のクラウド会計サービスです。
機能制限なしで各種帳簿作成など全ての機能を無料で利用でき、バージョンアップも無料。青色申告にも対応しているほか、「弥生会計」のデータもインポート可能です。
金融機関の明細取り込みや自動仕訳の機能はありませんが、経理のコストを徹底的に抑えたい個人事業主には選択肢のひとつになるでしょう。
おすすめ会計ソフト|9位:勘定奉行
勘定奉行はシリーズ累計69万社の導入実績を誇る、業界トップの会計ソフトです。個人事業主には、必要な機能を厳選した「勘定奉行J11」がおすすめです。
シンプルな操作性で、帳簿入力、仕訳入力などの基本機能が充実しています。「給与奉行」「商奉行」「蔵奉行」など他のシリーズや、Office系ソフトとの連携機能も搭載されています。
サポートは電話、FAX、WEB、リモートなど多くの手段から自身に合ったものを選択することができます。年間利用料は40,000円(初年度登録費20,000円)。
60日間無料体験が可能なので、じっくり検討するのがおすすめです。
おすすめ会計ソフト|10位:RUCARO
RUCAROは「日本一安全なプライベートクラウド会計ソフトを作る」というコンセプトで開発された、サーバーインストール型ソフトです。
自身でサーバーを用意し、そこにソフトをインストールする形で利用します。ログインURLを第三者に知られることがなく、機密情報を自分だけで管理することができ安全です。
仕訳データのCSV一括取込、銀行口座の情報連携など基本的な機能を兼ね備えていながら、完全無料で利用することができます。
自社サーバーの運営費用は発生するものの、情報漏洩が気になる人は使ってみるとよいのではないでしょうか。
おすすめ会計ソフト|11位:わくわく財務会計
わくわく財務会計は、WEB感覚の親しみやすさとWindowsの操作性を兼ね備えた会計ソフトです。WEBデザインにこだわっているため、普段パソコンを触る方であれば感覚で操作が可能になることが強みです。
買い切り型の会計ソフトのため、毎月の固定費は発生しませんが、一度購入してしまうと他社会計ソフトへの乗り換えができなくなるため要注意。
個人事業主向けというよりは、法人の決算資料作成に向けて作られているため、個人事業主が導入する会計ソフトとしてはおすすめできません。
おすすめ会計ソフト|12位:ジョブカン会計
ジョブカン会計は、パッケージソフトの操作性をそのままに、クラウドサービスの便利さを実現した会計ソフトです。
ジョブカンシリーズの導入実績は15万社を超え、ジョブカン会計の連携のしやすさから、過去契約をしていた大手企業を中心に導入されています。
「使いやすい」「高機能」「低価格」と評判でおすすめとの声が多い一方、個人事業主へはおすすめできない会計ソフトかもしれません。
おすすめ会計ソフト|13位:HANJO会計
HANJO会計は飲食店を営む個人事業主向けの会計ソフトです。
メリット | デメリット |
---|---|
飲食店向けに特化した機能 スマホで確定申告まで終えることができる | 飲食店以外には対応していない |
スーパーなどの仕入れはレシートをスキャンするだけで読み取ってくれる機能があり、データ入力や、帳簿付けを簡易化してくれる会計ソフトであるため、飲食店経営者へおすすめします。
個人事業主に会計ソフトがおすすめな理由

個人事業主がマネーフォワードなどのおすすめ会計ソフトを使用する「具体的なメリット」について解説していきます。これから会計ソフトの導入を考えている個人事業主はぜひ読んでください。
①簿記の知識なしで帳簿が作れる
平成26年1月1日以降、すべての個人事業主は帳簿を作成し、保管することが義務となっています。
日々帳簿をつけ、事業の取引やお金の動きを記録する必要がありますが、帳簿の記入には簿記の知識が必要です。
しかし、会計ソフトを使えば売上や仕入などの取引内容を入力するだけで、ソフトが帳簿を自動的に作成してくれます。手作業でありがちな計算ミスが起こらないのも、会計ソフトを使うおすすめポイントです。
②電子申告で簡単に確定申告ができる
会計ソフトを使うことで圧倒的に便利になるのが確定申告です。
確定申告では1年分の領収書や各種証明書を整理し、支出、売上、経費の会計処理を行う必要があります。
ところが、日常的に会計ソフトを使用していれば、指示に従っていくだけでソフトが自動で確定申告書を作成してくれるのです。作成された確定申告書類を印刷し、そのまま税務署に提出することができます。
さらに電子申告(e-Tax)に対応しているソフトなら、作成された書類をそのままインターネット上で提出でき、自宅を出ることなく確定申告を完結させることも可能です。はじめて確定申告をする個人事業主へ会計ソフトはおすすめです。
③日々の仕分けが効率化できる
帳簿の作成では、取引の内容を「借方」「貸方」に分類したり、「仕入」「売上」「雑収入」「消耗品費」などの勘定項目に振り分けて記帳を行う「仕訳」が基本の作業になります。会計ソフトを使うと、「仕訳」を自動で行うことができるとても効率的になるのでおすすめです。
会計ソフトに銀行口座やクレジットカードなどを連携させることで、取引のデータを自動的に取得し、仕訳の提案を行ってくれます。また、レシート・領収書をスマホで撮影することで自動仕訳・入力を行ってくれる機能も便利です。
このような機能によって帳簿を記入する手間や時間が格段に減り、個人事業主にとって必要な本業に集中することができます。
個人事業主が会計ソフトを導入する際の注意点は?

クラウド型会計ソフトには多数のメリットがありますが、いくつか注意したい点もあります。ここからは今回おすすめした会計ソフトを導入する際に、注意するべきポイントを2点解説していきます。
①コストが継続的にかかる
クラウド型会計ソフトは「月額○円」といったサブスクリプション方式を設定していることが多く、継続的なコストがかかります。
2年目から料金が上がるプランもあるので注意してください。事業の拡大に伴って、機能を追加したり、利用できる人数を増やしたりと、グレードの高いプランが必要になることもあるでしょう。
個人事業主であっても長期的な視点でランニングコストを考えることが重要です。
②通信環境が必要
クラウド型会計ソフトの利用にはインターネット環境が必須です。メインで利用する場所の通信環境が不安定な場合は要注意です。
インターネットの接続状況によっては動作が重くなってしまうこともありますので、インターネット環境は万全に整えておきましょう。
個人事業主の会計ソフト導入についてよくある質問
定番の会計ソフトなら「マネーフォワード」「freee」がおすすめ!
個人事業主におすすめの会計ソフトについて紹介しました。
定番の会計ソフトなら「マネーフォワード」「freee」、堅実派の方には「弥生」がおすすめです。
会計ソフトを上手に利用して会計処理の手間や時間を減らし、貴重な時間を効率化していきましょう。