確定申告の際、引越し時のお金は何の勘定科目になるのか悩んではいませんか?
今回はそんな方へ向けて「敷金・礼金・仲介手数料の仕分け方法、勘定科目の分類」を解説します!
敷金・礼金・仲介手数料は何のお金?
まず、敷金・礼金・仲介手数料の勘定科目を知るにあたって、それぞれが何のためにお金を支払ったのかを知る必要があります。ここでは、敷金・礼金・仲介手数料が「誰に」「どんな目的で」支払っていたのかを解説します!
敷金・礼金・仲介手数料は何のお金?|①敷金
敷金は、新たに賃貸契約を行う際に契約者が支払う費用のひとつです。敷金は、退去時の費用などを担保するために借主(賃借人)が貸主(賃貸人)に支払うためのお金です。借主が家賃も滞納があった際や退去時の修繕費に対する担保として使われます。
敷金は担保のためのお金なので、「償却」として契約を結んでいるかによって、退去時にお金が返金されるのか決まります。交渉できるのならば「償却」として契約を結ばない方がお得です。
敷金・礼金・仲介手数料は何のお金?|②礼金
礼金は、大家さんに対してお礼の意味を込めて渡すためのお金です。現代よりも賃貸物件が少なかった時代に、家を貸してくれた大家さんに向けて感謝の気持ちとして渡していました。敷金と比べると契約者にとって返ってくるお金ではなく、損しがちなお金です。あくまで感謝のお金ととらえ、物件を契約する際は「礼金0円」の物件の方がお得です。
敷金・礼金・仲介手数料は何のお金?|③仲介手数料
仲介手数料は、仲介業者の業務の対価に支払うためのお金です。大家さんと直接契約を結ぶことができれば、必要ないお金ですが、そんな繋がりのある人間はなかなかいません。そこで、物件紹介や現地案内、用件交渉など、貸主と借主の間に入って交渉していただく業務の対価として存在するお金が仲介手数料です。
敷金・礼金・仲介手数料の勘定科目は?
ここでは敷金・礼金・仲介手数料が何の勘定科目に該当し、実際の仕分けでどう経理処理すれば良いのかを解説します!
敷金・礼金・仲介手数料の勘定科目は?|①敷金は「敷金」か「差入保証金」
敷金の勘定科目は「敷金」か「差入保証金」です。
ここでは「敷金で仕分け処理をする例」を下記に記載します!
契約時の会計処理ではこのように処理しましょう。
また、契約終了時は敷金の返却有無によって処理が変わります。
契約年度時では気にならないことですが、契約終了時には気になることですので、ここでは参考程度に契約終了時に50万円の敷金がすべて返金されるときを紹介しておきます。
敷金・礼金・仲介手数料の勘定科目は?|②礼金は「地代家賃」か「支払手数料」
礼金の勘定科目は「地代家賃」か「支払手数料」です。
ここでは「地代家賃で仕分け処理をする例」を下記に記載します!
敷金・礼金・仲介手数料の勘定科目は?|③仲介手数料は「支払手数料」
仲介手数料の勘定科目は「支払手数料」です。
ここでは「支払手数料で仕分け処理をする例」を下記に記載します!
確定申告の経理処理での注意点は按分処理?
ここまで、帳簿を記載する際の「敷金」「礼金」「仲介手数料」の勘定科目を紹介してきました。
実は前途の勘定科目でそのまま仕分けるだけでは、確定申告後の税務調査で国税から注意されることがあります。
個人事業主の場合は、自宅兼事務所の場合は按分(あんぶん)処理をしなければなりません。
つまり、事業として使用している割合のみ経費に計上できるということです。
ここでは個人事業主が「敷金」「礼金」「仲介手数料」の按分処理方法を2点ご紹介します。
確定申告の経理処理での注意点は按分処理?|①時間で按分処理
1日24時間のうち何時間を事業に費やしていたのか、時間で割合を決めて按分処理をする考え方です。
例えば1日8時間は自宅で事業をしているとすると割合は33.3%となります。
つまり「敷金」「礼金」「仲介手数料」に費やしたお金の33.3%が経費に計上できます。
一般的な事業主は時間で按分処理をして、経費計上する方が多いです。
確定申告の経理処理での注意点は?|②土地面積で按分処理
自宅の面積のうちどれだけを事務所として利用していたのか、土地面積で割合を決めて按分処理をする考え方です。
例えば自宅の50%は物販など、必要経費などで埋まっている場合は、「敷金」「礼金」「仲介手数料」に費やしたお金の50%が経費に計上できます。
土地の面積で按分処理する場合は「モノ」を販売する在庫型の事業主で認められることが多い考え方です。
嘘のない会計処理をしよう!
個人事業主の確定申告は税金対策のため、盛った計上をしてしまうケースが多く、税務調査で追徴課税を請求されてしまうこともよく聞く話です。
嘘をついてもバレるので、正しく胸の晴れる会計処理を本記事で紹介した方法で計上するようにしましょう!