YouTubeやハンドメイドの販売、ライターやウーバーイーツ、大学生でやっている人もたくさんいますよね?これらは個人事業主になることを知っていますか?
ちょっとした小遣い稼ぎに、と思って始めてみると意外に儲かってしまうことがあります。そんな時、心配なのがよく聞く「扶養から外れる」という問題です。「なにそれ怖い」「税金とかわかんない」と不安になってしまいますよね。
そんな人に、扶養を外れたらどうなるのかなど詳しく解説します。
不安を解消して、楽しく個人事業主になってみませんか?知っていれば、何も怖いことはありません。知識をつけて、損せず個人事業主ライフを送りましょう。
大学生で個人事業主(個人事業主)の扶養について解説!
扶養とは簡単に言うと「経済的に助ける」ことで、大学生の場合、親の扶養に入っていることがほとんどでしょう。扶養は一定の条件を超えてしまうと「外れる」という状態になります。
「扶養から外れる」とき注意しなければいけないのは、税金と社会保険の2つの問題です。
税金の扶養については、大学生を扶養している家族の税金が上がります。つまり、大学生本人ではなく、家族の払う税金の額が増える事態が発生するのです。
社会保険上の扶養は、健康保険などに大学生が自分で加入する必要が出てきてしまい、こちらは大学生本人の負担が増えますね。
結果として、せっかく大学生が収入を得たのに、家族が払う税金が増えてしまったり、大学生本人の負担が増えたりと、損をすることさえありえます。
このように扶養から外れると、自分のことだけにとどまらなくなるので、扶養から外れるかどうかは家族ともよく相談する必要が出てくるでしょう。
大学生の個人事業主が扶養から外れる条件は?
個人事業主になった大学生が家族の扶養から外れてしまう条件をそれぞれ説明していきます。
①所得が48万円を超える
税制上、個人事業主の場合、年間48万円以上の所得があると親の扶養から外れます。
ここでまず、「所得って何?」という人に、所得について説明しますね。所得というのは収入から経費を引いたもの。この所得によって収めるのが所得税です。ただし所得すべてに税金がかかるわけではなく、一定の金額を差し引いてくれるものがあります。それが控除。
その中の一つが、基礎控除で、だれもが条件なしで収入から48万円引いてくれるのです。控除された金額には税金がかからないので、所得が48万円を超えなければ扶養から外れることはありません。
②給与収入が103万円を超える
よく聞く言葉に、103万円の壁というものがありますが、103万円はアルバイトなどの給料をもらう場合に用いられます。少し計算の仕方が違うのです。
個人事業主の場合は収入から経費が引けますが、給与の場合、基本的に経費を引くことができないので、給与所得控除というのが設けられています。控除というのは一定額を引くということなので、給与所得控除の55万円と基礎控除の48万円と合わせて103万円を所得から引くことができるのです。
これまでは、個人事業主よりアルバイトなどの働き方が多かったため、103万円という言葉が多く出回っているのでしょう。
アルバイトなどの給与収入を得ている人は103万円を超えると扶養から外れてしまいます。
③収入が130万円を超える
次に気を付けなければならないのは、社会保険上の扶養の壁である年収130万円です。収入が130万円を超えてしまうと健康保険や年金など、自分で加入して支払うことになります。
これはかなり気を付ける必要があります。なぜなら大きく損をすることになる可能性があるからです。
親の扶養は今すぐには外れません!
個人事業主になったからといって、すぐに親の扶養から外れてしまうわけではないので安心してください。扶養から外れるのは、年末もしくは翌年の3月です。
所得が48万円を超えると税法上の扶養から外れてしまうので、その手前でしっかり家族と話し合うことが大切です。
また、次に注意が必要なのが、社会保険上の扶養から外れる年収130万円です。こちらに関しては、年収の制限だけでなく、月収108,334円(108,334円×12ヶ月=1,300,008円)未満という規定がある場合もあるので注意が必要ですね。
親の扶養から外れるとどうなる?
扶養から外れるとどうなるのか?気になりますよね。
税制上、年間所得が48万円を超え家族の扶養から外れてしまうと、家族の税金が上がります。
簡単に説明すると、家族が大学生を扶養している間は、扶養控除という控除を受けられるため家族の所得から差し引かれて、差し引かれた金額に税金がかかります。しかし扶養から外れると扶養控除が使えないため、その分税金がかかる所得が増えて結果として、税金が増えるということになるのです。
実際には、大学生が扶養から外れる場合「63万円×(親の所得税率+10%)」ほど、親の税金が増えます。
社会保険上年収130万円を超えると、健康保険や年金を自分で払う必要が出てきます。こちらは家族ではなく、大学生本人に負担がかかり、場合によっては損をしてしまう可能性があります。
家族の入っている組合によっては、月収の制限もある可能性があるので注意が必要です。
大学生で個人事業主(業務委託)の税金について解説!
大学生であろうと、一定の所得がある場合、確定申告が必要になります。「確定申告とか無理」「面倒くさい」などと、申告を怠ると、本来払うべき税金よりも多くの税金を払う羽目になることがあります。
いくらから確定申告の必要があるのか、しっかり解説するので、不安を取り除きましょう。
いくらから確定申告が必要?
個人事業主として、やっている事業のみで収入がある場合は48万円を超えると確定申告の必要があります。所得なので、事業にかかる経費は差し引くことができますよ。
具体的に見てみましょう。
収入 | 経費 | 所得(収入ー経費) |
80万円 | 30万円 | 50万円 |
確定申告の必要あり
収入 | 経費 | 所得(収入ー経費) |
100万円 | 60万円 | 40万円 |
確定申告の必要なし(とはいえ確定申告しておくことを推奨)
計算式 | 所得 |
①喫茶店アルバイト収入(70万円)ー給与所得控除(55万円) | 15万円 |
②UberEatでの収入(50万円)ー経費(15万円) | 35万円 |
①+② | 50万円 |
確定申告の必要あり
どのケースでも確定申告の基準は所得で、収入ではないことに注意しましょう。
また個人事業以外にアルバイトをしている場合、すべてを合わせた所得が48万円を超えると確定申告の対象になります。つまり、ケース3のように、それぞれの所得が48万円を超えていなくても合計所得が48万円を超えると確定申告が必要になるので注意しましょう。
確定申告のやり方は?
基本的な流れは「必要なものの準備」「確定申告書類の作成」「確定申告書類の提出」「納税」の4ステップです。
①必要なものの準備
・確定申告書(電子申告の場合は紙の申告書はいりません)・収支内訳書/青色申告決算書・口座・帳簿及び領収書など・マイナンバーカード(またはマイナンバーのわかる書類+身分証明できるもの)
・各種控除の書類(医療費や社会保険、寄付の証明書)・源泉徴収書(アルバイトなどで給与所得がある場合)・ICカードリーダー(対応のスマートフォンがあればいりません)
帳簿に関しては、一年分の収支にかかわるものすべてをまとめたものなので、細やかに日々つけておくことをおすすめします。確定申告は一年分の報告を期限内にしなければならないので、一年分をその期間にまとめるのは大変ですよ。
青色申告と白色申告では帳簿のつけ方も変わるので注意しましょう。
②確定申告書類の作成
主な作成方法は「自作」「税理士に依頼」の2つ。自作の場合は手書きか、確定申告ソフトを使うかのどちらかになります。
収入や経費がわかりやすく少ない場合は、手書きで対応できますが、確定申告ソフトであれば必要事項を入力するだけの手軽さがありますよ。パソコンだけでなく場合によっては、スマートフォンでもできてしまうのでおすすめです。さらにソフトがない場合も、国税局のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使えば印刷で提出も、e-Taxもどちらもできますよ。
③確定申告書類の提出
提出方法は「管轄の税務署に直接持ち込む」「管轄の税務署へ郵送する」「管轄の税務署の時間外収集箱へ投函」「e-Tax利用」の4つです。
管轄の税務署は国税局のホームページから住所や郵便番号を入れることで探せますよ。管轄の税務署が近くにない場合は、郵送やe-Taxが便利ですが、マイナンバーカードと対応のスマートフォンがあればe-Taxでの納税がおすすめです。
e-Taxは、いつでもどこでも好きな時に提出できることが、一番のメリットです。さらに青色申告をする場合はe-Taxでの提出であれば控除額が最大65万円になるので、どうせ確定申告をするのであれば、チャレンジしてみてもいいでしょう。
④納付
主な納付方法は「現金」「振替・振込」「クレジットカード」「電子マネー」の四つです。
スマートフォンから電子マネーで支払うこともできますよ。
おすすめの会計ソフトは?
ここから先は下記のおすすめ会計ソフト、マネーフォワード、フリー、弥生会計について比較していきます。比較しやすいように基本的な項目の比較表を下記に記しています。
マネーフォワード | freee(フリー) | 弥生会計 | |
価格 | 年間11,760円 | 年間11,760円 | 初年度無料 (次年度8,000円) |
機能 | スマホで確定申告書類作成 | スマホで確定申告書類作成 | ー |
実績 | ー | ー | 16年連続売上NO.1 |
無料試用期間 | 1ヶ月 | 30日間 | 1年間 |
サポート | チャット・メール | チャット・メール | 電話・チャット・メール |
3つの会計ソフトについて1つずつ説明していきます。ご利用の参考にしてみてください。
①Money Foward(マネーフォワード)
マネーフォワードは、スタンダードプランで年間11,760円で利用することができます。
個人事業主の方に必要な青色申告、白色申告どちらにも対応しています。
青色申告では、最新の青色申告特別控除にも対応しており、確定申告書類は自動で出力されます。
白色申告、青色申告の両方に対応した決算書も自動で作成できます。
また、スマホでの確定申告書類の作成ができ、スマホで確定申告が可能です。
仕分けにおいては、3000以上の金融サービスと連携しており、明細を自動で取得することができ、AIが取得した明細をもとに学習し、仕訳を提案してくれます。ですので入力の手間は最小限で済みます。
確定申告が初めての方でも安心の学習ページがあり、チャット・メールに対応したサポート体制もあります。
サポート満足度は95%(2020年6月マネーフォワード調べ)と高く、マネーフォワードを熟知した税理士を紹介してくれるサービスもあるので、いざという時に頼りになります。また、様々な所得や控除に対応しており、経費精算や請求書の発行も追加費用なしで利用可能です。日々の収支がリアルタイムで可視化できるので、収支や経営状態などすぐに確認できます。
1ヶ月間の無料試用期間があり、試しに利用してみるのもお勧めです。
②freee(フリー)
フリーは、スタンダードプランで年間23,760円の利用料がかかります。マネーフォワードより比較的高いランニングコストです。マネーフォワードと同様にスマホで確定申告に対応しており、経理にかかわるあらゆる業務をカバーできます。
別サービスでは、人事労務フリーと連携することにより、勤怠や給与計算も可能です。あらかじめ設定した社内ルールやAIの判断で自動仕訳・記帳を行います。ダッシュボードを見れば、一目で財務状況の確認ができます。また、フリーの最大の特徴は、経理に不慣れな初心者の方でも安心のシンプルでわかりやすい会計ソフトである点です。ソフト内での会計用語が少ないので初心者の方でもすぐに使えます。
わからないことがある時は、サポート満足度94.1%(2016年8月)のカスタマーサポートがあり、特にチャットサポートではリアルタイムに回答が得られます。フリーの認定アドバイザー資格をもつ税理士の紹介を受けることもできるため、手厚いサポート体制があります。
無料試用期間は30日間となっています。
③弥生会計
弥生会計は多くのサポートがありますが、個人事業主の方がよく使用するのは、「やよいの白色申告オンライン」と「やよいの青色申告オンライン」の2つでしょう。やよいの白色申告は永年無料で利用でき、やよいの青色申告オンラインは初年度無料、次年度からは8,000円の利用料がかかります。
マネーフォワードやフリーと比較すると、低価格で利用できます。マネーフォワードやフリーと比較してみると、スマホでの確定申告はできませんが、簿記の知識がない初心者でも利用しやすい会計ソフトとなっており、23年連続売上No.1の実績を誇ります。個人事業主の56%は弥生会計を使用しており(2020年「クラウド会計ソフトの利用状況調査)、個人事業主の強い味方となっています。記帳がメインの機能となっており、主な機能は、帳簿付け、集計・レポート、確定申告などです。
見積書や請求書発行には別途サービスが必要となっています。業界最大規模のカスタマーサポート体制があり、他の2ソフトと比較すると唯一電話サポートが利用できます。直接会話して質問できる、不明点の解消につながるでしょう!
まとめ
家族の扶養に入っている大学生が個人事業主になった場合、所得が48万円を超えると、税法上親の扶養から外れ、親の税金が高くなります。
さらに年収が130万円を超えると社会保険上の扶養から外れ、大学生自体が健康保険などに入り支払わなくてはならなくなります。
個人事業主になるとすぐに扶養から外れるわけではないので、どのくらい稼ぐのがベストなのか家族と話し合ってみるといいでしょう。